有限会社タナカS・S

2. 障害者雇用のきっかけ

(1)初めは実習から

会社では平成18年4月より知的障害者のAさんの雇用を継続している。雇用に至った最初のきっかけはAさんが在籍していた高等養護学校の先生からのアプローチだったという。学校では3年生の授業の一環として、「職場の雰囲気や労働時間、一定の作業量など働くことのきびしさや充実感、また、職場での人間関係について体験を通して理解を深める」ことを目標に、一般の事業所で実習を行うが、進路指導担当の先生からAさんの実習受け入れの依頼があり、初めは会社としても不安や戸惑いはあったとのことだが、会社訪問を重ねる先生の熱意に応え平成17年の6月と10月に2週間ずつ、実習を受け入れることとした。

(2)実習から雇用へ

そして、その実習期間中におけるAさんの仕事に対する姿勢はもちろん、適宜巡回指導に会社を訪問してくれる学校側のフォロー体制も会社としては安心できるものがあり、卒業と同時に採用への運びとなった。

(3)雇用へ向けた支援体制

雇用へ向けた話し合いが、会社、学校、ハローワーク、山形障害者職業センターの連携のもと開始された。Aさんの職業生活を支える“応援団”結成である。昨年度より、障害者の就労に向けた「チーム支援」の実施が国から示されているが、この事例におけるチーム支援はすでにこの時に始まっていたということである。

会社にとって初めての障害者雇用で、Aさんにとっても新卒者でありもちろん初めての職場ということもあり、ハローワークの紹介により3ヶ月のトライアル雇用を実施し、併せて障害者職業センターの職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援事業も併用した。トライアル雇用を実施することにより、会社、Aさんにとって3ヶ月の期間中にどの程度仕事ができるか理解できること、また、よりお互いを理解しあうことができた上で常用雇用に移行できること、支援計画に沿ったジョブコーチ支援により、Aさんがより仕事をスムーズに覚えられること、知的障害者に対する接し方などを相談できることなど、各機関が連携することにより様々なメリットがあった。加えて、学校の先生も卒業後のアフターフォローとして適宜会社訪問を実施したことで、会社やAさんにとって大きな支えになったことは言うまでもない。また、学校やハローワークからのアドバイスもあり、高齢・障害者雇用支援協会の業務遂行援助者の助成金も受けているとのことであった。

そうした経緯を経て、平成18年7月、Aさんは常用雇用へと移行する。


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