特定医療法人社団相和会中村病院

3. 取り組みの具体的な内容

(1)労働条件

労働時間は通常の勤務者より1時間短い。1人は遠方からバスで通ってきていることもあって、16時に勤務は終了する。朝は他のスタッフと同様だが、遅刻をすることになく、自力で職場に通ってきている。月曜日から金曜日まで週5日働いている。

(2)障害者の状況に配慮した取り組み

1名は清掃・洗濯の仕事を担当している。当直室の清掃業務や洗濯物たたみなどの作業である。もう1名は、特別支援学校在学中にホームヘルパー2級の資格を取得し、患者さんと接する仕事がしたいという希望があったので、実習段階から病棟で看護補助業務を担当している。環境整備、食事の準備・片付け、シーツ交換や、病院内で使用する器具・器材の滅菌、洗浄などの看護補助業務である。

指導、育成していく上で工夫をした。例えば、マットにシーツを掛けるという仕事も、時間がかかり難しかったが、作業内容を工夫することにより、短時間で作業ができるようになった。

おむつ交換の仕事では、患者さんに直接触れるという作業よりも、他のスタッフにおむつを渡すなど、役割分担を考えていくと、うまくいくようになった。

洗濯業務では、タオルの枚数を数えなければならないが、枚数を数えるのが困難であった。そこで、ボードに「正」の字でタオルの枚数を書くと、作業に取り組むことができた。

実習段階では特別支援学校の先生と相談し、アドバイスを受けた。雇用開始後は、ジョブコーチ支援を利用した。現在もジョブコーチ支援を利用しており、、ジョブコーチ支援という制度には大変助けられた。

また、現場での指導者は同じスタッフに決めている。指導者が変わると、混乱することが多いので、安定して仕事ができるように、業務遂行補助者を配置している。

(3)コミュニケーションの対応

1名は言葉でのコミュニケーションが取りづらいため、作業内容を伝える工夫、コミュニケーションを取る工夫をした。実習中は本人が常に作業内容を確認できるように、作業をカードに書いたこともある。また、作業を視覚で確認できるようにと、作業内容をボードに書き、終わったものにはチェックを付けるなど、常にどこまでできたかを視覚的に確認できるようにしている。

家族との連携も大切である。日ごろから家族との連絡を密にしているが、1名は、家族との連絡帳を利用している。家族から体調など気をつけてほしいことを書いてもらい、職場での様子も知らせるようにして、本人が困る状況を回避するようにしている。体調が悪い時、本人がうまく伝えられなくても、家族からの連絡を受けていると、仕事上の配慮ができるので、連絡帳は大変良い方法であると考えている。

(4)取り組みのまとめ

2名は一生懸命やっているが、健常者に比べると作業時間がかかったり、理解できなかったり、また、休み明けには作業速度が遅くなったりということがある。決して手を抜いているのではないということを他のスタッフが理解できるまでには時間も必要だった。職場のスタッフが理解できないと、障害のある人にとっては働きにくい職場となってしまう。

また、病棟勤務では、患者さんとのコミュニケーションを取ることはかなり難しかったので、他のスタッフが手助けするなど、仕事の分担を考えていかなければならない。

仕事の教え方にも配慮が必要である。ずっとそばについていると緊張するので、本人の状況をみて、指導していかねばならない。ひとつの作業が終わったころに、次の作業の指示をするなど、気を配っている。しかし、ジョブコーチの支援もあり、現在では仕事を任せられるようになっている。まちがったときや作業が指示どおりにできてないときは注意もするが、素直に注意を受け入れている。このような素直な態度が、職場の雰囲気を良いものにしている。

看護補助業務
看護補助業務
洗濯業務
洗濯業務


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