障害者助成金活用事例  No.89
部内会議において手話通訳者を配置することにより、聴覚障害者が業務上知っておくべき事項をより理解することができるようになった事例


1. 課題

当社は、外資系製薬メーカー(国内従業員数は約1,000名)で、人事総務本部に採用されたAさん(聴覚障害3級)は、所属する部を中心に庶務的な業務を担当している。その内容は、①部内の請求書等の支払処理、②登記簿謄本、印鑑証明書等の書類の管理、③鍵やセキュリティーカードの管理、④社内カレンダー等、会社印刷物の企画・作成、⑤封筒等の備品の手配と管理等である。

Aさんは、他のスタッフや取引業者とのコミュニケーションは主に口話やメールにより行っており、日常業務の中で行われる少人数の会議においても、口話、筆談及びパワーポイントの視覚資料等により会議の内容を理解し、他のスタッフとのコミュニケーションを円滑に行っていた。しかし、部内の全体会議となると、不特定多数の人が発言したり、口の動きが読み取れない距離で人が発言したりするため、内容を十分に理解できないことやタイムリーに情報を得られないことが多々あった。そのため、特に重要な事項については、自分で他のスタッフに確認しなければならなかったり、聞き逃してしまったりすることがあることが課題であった。

2. 課題解決の工夫・取り組み

Aさんが人事総務本部のスタッフの一員として、部内の全体会議に出席し、部に関することが議題となる全体会議の内容を十分理解することは、業務を円滑に進めるに当たって重要なことであった。そのため、他のスタッフが口話、筆談及びパワーポイントの視覚資料等により情報を提供することに加え、手話通訳者を配置し、理解の促進を図った。

3. 取り組みの効果

部内の全体会議において手話通訳者を配置することにより、Aさんに入ってくる情報量が増え、会議の内容をより正確に理解することができるようになった。また、これにより他のスタッフとのコミュニケーションも円滑に行えるようになった。

4. 活用した助成金

手話通訳者の利用に当たっては、障害者介助等助成金を活用した。年間7回活用し、上記の取り組みに係る所要費用は年間105千円で、助成金受給額は同67千円であった。


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