障害者助成金活用事例  No.90
聴覚障害者に対する研修場面において、的確な情報保証により、
スキルアップにつなげた事例


1. 課題

当社は以前から聴覚障害者を多数雇用していた(平成23年11月末現在13名)。聴覚障害者には本部の事務集中センター等において事務仕事に従事している者と、本部や営業店の清掃作業に従事している者がいる。当社は金融業ということもあり、定期・不定期を問わず各種の研修機会が少なくない。聴覚障害者に対しても、他の行員と同じように研修を受けることにより、スキルアップにつなげることが当然と考えていた。

また、当社には同僚で手話ができる行員がおり、研修時のコミュニケーションにおいても必要があれば手話を交えてサポートをしていたが、同僚の負担を軽減するとともに、研修内容を的確に伝達し聴覚障害者のスキルアップを目指していくためには、手話通訳担当者による通訳が必要であった。

2. 課題解決の工夫・取り組み

会社として聴覚障害者に対する情報保障を行うことにより、研修内容の理解促進を図り、スキルアップにつなげるという立場から、聴覚障害者が参加(受講)する研修のあり方を見直すとともに、手話通訳担当者の委嘱助成金の申請を行なうこととなった。

入行式や新入行員研修、中堅行員研修やキャリアプランセミナーといった階層研修、人権研修といった全行員を対象とする研修、それ以外にも「ゆとりプランセミナー」と呼ばれているスキルアップのための各種研修を対象に、手話通訳担当者の委嘱を実施した(平成23年11月末現在支給回数10回)。

近年のエピソードとしては、入行4年目を対象とした中堅行員研修において、研修カリキュラムのなかにグループディスカッションがあったこともあり、本人ならびに手話通訳担当者が大変苦労しながらも創意工夫をしながら、積極的にグループディスカッションに取り組み、最後には本人から「ありがとうございました」と感謝の言葉を聞くこともできた。

また、職位別の研修である決裁者研修においても聴覚障害者1名(平成17年度優秀勤労障害者機構理事長表彰受賞)が受講をしており、聴覚障害者のスキルアップに寄与している。

3. 取り組みの効果

研修時に手話通訳担当者を委嘱し情報保障を行うことで、聴覚障害者が希望した研修の受講が可能となり、スキルアップにつながるとともに、仕事あるいは職場に対するモチベーションの維持、高揚を図ることができている。実際、研修の理解度の面からみても、受講後レポートの内容において障害のない者と大差はない。的確な情報保障により、聴覚障害者にとって障害のない者と同様の公平な研修環境を整備することが可能となったといえる。

また、エレベーター内や社員食堂において手話でコミュニケーションをする姿(風景)が増えてきている、とのことである。つまり、それは「手話が身近なものになりつつある」、あるいは「手話でコミュニケーションをすることの遠慮が薄れてきている」、と言えるのではないだろうか。

4. 活用した助成金

重度障害者介助等助成金(手話通訳担当者の委嘱)を活用した。10回受給し、受給額は325,500円である。


協力事業所:株式会社滋賀銀行
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