有限会社協同回収

2. 障害者の従事業務・職場配置、取組の内容

(1)障害者の従事義務・職場配置

現在雇用されている障害者15名は以下の2工場1店舗に配置されており、それぞれの従事業務等は次のとおりである。


①  詫間経面工場

詫間経面工場は、収集・金属加工・製品出荷の拠点となっている。同工場には障害者7名が配置され、知的障害者2名と精神障害者1名が空き缶等の選別作業を、知的障害者1名が自動車用タイヤ及びアルミホイル加工・分別作業を、精神障害者1名が自動車用タイヤの切断等の作業を、更に、身体障害者1名と重度知的障害者1名のペアが電線被覆の剥離及び手選別の作業を行っている。

②  詫間第二工場

詫間第二工場は、都市鉱山リサイクル(希少金属の回収、分解加工及び選別)を中心業務としている。同工場にも、障害者7名が配置され、重度身体障害者2名、身体障害者3名、重度知的障害者1名及び知的障害者1名が電子基板の選別作業を行っている。具体的には、混ぜればゴミとして埋めたてられる電子機器を破砕し、手作業で鉄部材、銅、ステンレス、アルミ、プラスチック、基板屑及びダスト(細線・廃プラ)に分別するといった細かな作業を行っている。

③  店舗

店舗に配置される1名は、中途下肢障害者であるが、貴金属、ブランド品、中古携帯電話、金券買い取りに加えて、リサイクル対象の鉄、電化製品の無料回収を行っており、店舗の店長という責任あるポストを任されている。


詫間経面工場(空き缶等選別)
詫間経面工場(空き缶等選別)
詫間第二工場(電子基板選別)
詫間第二工場(電子基板選別)

(2)取組の内容

①  障害者雇用推進室の設置

障害者雇用を積極的に行い且つ適切な管理により雇用の継続をしていくために、平成18年7月に「障害者雇用推進室(以下「推進室」という。)」を設置した。推進室は経営者2名と現場責任者2名の合計4名で構成されている。主な取組は、①障害者の採用に関すること、②雇用継続に関すること、③現場トラブルの解決に関すること、④職場環境に関すること、⑤その他障害者雇用に当たって必要なこととしており、障害者雇用に関連する事案が発生する都度、推進室会議において迅速な対策を講じている。


②  勤務管理

イ   メンタル管理

同社においては、可能な限り障害者のリーダーには障害者を任命するよう心掛けている。知的障害者が合計6名在籍しているが、そのリーダーには身体障害者を抜擢し、精神面でのフォローを行うとともに事業主との橋渡しもさせている。

リーダーが少し年齢の離れた女性であることが良かったのか、若い知的障害者たちの母的存在になっている。気軽に相談できる存在は重要なことであり、リーダーが同じ障害者という立場にあることで暖かく皆を包み込むことができ、色々な面でお互いの仲を取り持つことが可能となっている。

このレベルのフォローは他の社員にはなかなか困難であると代表者はいう。

ロ   業務配置

業務は障害者全員を同じ部署に配置させたいが、それぞれに得手不得手があることから、現在の部署にそれぞれ配置している。配置に当たって障害者がやりたいということは一度チャンスを与え、経験させたうえで本人に得手不得手を理解・納得させるようにしている。

フォークリフトの運転をしてみたい」という要望があれば免許取得に挑戦させ、結果として免許を取得して、現在フォークリフト運転業務を行っている知的障害者もいる。

代表者は、とにかくやる気が一番であり、自主性を重んじることにより向上心が育てられるという。

ハ   業務目標値と体調管理の相関

同社には、当然のことながら業務目標値(ノルマ)があるが、障害者個人にノルマを設けてはいないし、能率も問わない。

継続して業務を行っていく中で個々人の可能な一日の仕事量の把握をし、その数値の変動が個々人の心身の状態を表すバロメータになっているという。

外的要因による体調は外から見れば感じ取ることもできるが、精神面での異常は仕事量の増減で把握するようにしているという。

ニ   勤務時間管理

同社の勤務時間は、午前8時から午後5時までである。その他休憩時間として午前10時から20分、午後0時から1時間、午後3時から20分としている。

1名の知的障害者は午後4時になると自己判断で業務を終了して帰ってしまうが、午後4時までは集中して業務をこなしており、業務量にも問題は無いので、これを認めている。

本人のライフスタイルが午後4時で業務終了となっており、仕事が午後5時までという考えが本人にはどうしても理解できなかったようである。これを無理矢理変更することは、本人のためにも同社にとってもプラスに作用しないとの判断であるという。

ホ   暑さ対策及び年休取得の促進

同社工場は、特に夏場に職場環境が厳しくなるが、「暑い」、「体調が悪い」と口にする障害者は少ない。

そこで、7月及び8月の猛暑時は扇風機からミストを飛ばす等の熱中症予防をしている。

また、「サマータイム制」として、普段有給休暇を取得しない障害者に積極的な取得促進をするために、週1回定期的に資材受入をストップし、意図的にラインを止めている。収益上の問題が生じるが、それ以上に大事な社員(特に障害者)の能率、体調管理面を優先させている。

経営上のマイナス部分は、経営者が営業力やアイデアでカバーするものであるという。


③  勤務評価

同社では「チャレンジド(Challenged)」と呼んでいるが、試行的に人事評価制度を導入している。障害者自身がいつも向上心を持ち続けるために、1年前の自分と現在の自分を比較してどのくらい成長したのかを「見える化」するための「成長シート(評価シート)」を作成し、本人の自己評価及び直属の上司による評価を行っている。評価結果については3ヶ月に一度の面談により相互理解・認識を深めている。

これにより配置転換の希望を申し出た社員に対してはマッチングするかどうかを見極め、希望を受入れることもある。

常に社員の気持ちを中心に考えることが肝要であると代表者はいう。障害者継続雇用において、障害者が環境に馴染むのを待つのではなく、環境を障害者に合わせるという発想も場合によっては必要であるとのことである。

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