有限会社協同回収

3. 障害者雇用の地域波及効果、今後の展望と課題

(1)障害者雇用の地域波及効果

この仕事は障害者にできる仕事ではないか、そしてそれは地元への社会貢献にもつながるのではないか?という思いから始めた障害者雇用であり、様々な取組を行い、実績も作ってきたところであるが、特に障害者雇用の職域としているこれらの業務については、「地域スポーツ支援」に波及している。

同社は県下企業や商店街などを対象に、スポーツ支援を前提とした資源物の回収イベントを定期的に行っている。集まった資源物は、障害者が処理を行い結果として収益を得る。得られた収益は地域スポーツ団体に活動資金として寄付される。いわゆる企業等は不要品の処分費用の削減ができ、同社は障害者の雇用と仕事を確保し、地域スポーツ団体は資金を得ることで活動の継続ができる三位一体のスキームが確立するわけである。

同社で働く障害者も自分が仕事をすることで地域貢献しているという誇りが持て、更にはモチベーションの向上を図ることができている。


(2)今後の展望と課題

世界がリーマンショックの影響を受けた時、同社もまさしくその渦中にあり、業界不況による営業不振に陥った。経営者判断としては、障害者を含む社員のリストラ選択もやむを得ないものであったが、同社は一切のリストラを行わなかった。

障害者雇用を始めた時から「障害者を雇用する重みは常に感じている」という。雇用した限りは継続して雇う。

辞めたいといった障害者に対しては色々な対策を考えて辞めなくて済む方法を探る。その気持ちが伝わるのか障害者たちは「会社に来ることが楽しい」と口を揃えている。

これから先をどのように考えているのかを聞いてみた。「気楽に出会いを大切にして少しずつ成長できればよい。全てを守りながらただ自然に任せ、自分が一生懸命やっていれば周りもついてきてくれると信じている。」と優しい口調で答えが返ってきた。

一方で、社員である障害者について、身寄りのない又はこれから身寄りが無くなる障害者の職業生活を終えた後のことも心配している。

これについては、一企業が抱えることではなく日本全体で考えていかなければならない事案でもあるが、同社には企業サイドからできることに挑戦していただき、先進的リーダーとして障害者雇用を継続・発展させていただきたいと期待してしまう。


執筆者:香川高齢・障害者雇用支援センター  影山  孝美
独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 検索画面へ
高齢・障害・求職者雇用支援機構トップページへ