障害者助成金活用事例  No.116
思いがけない初めての障害者雇用が教えてくれたもの

1.  課題

当社は、岐阜に本社を置き、三重、静岡に営業所を有する運送会社である。安全に対する姿勢は安全宣言を各営業所の出入口・休憩室・会議室に掲示しホームページ上にも実施状況を公開していることにも現れている。対象障害者は平成22(2010)年9月6日にドライバーとして入社。平成23(2011)年2月28日洗車中に下半身に大きな損傷(両下肢機能障害1級)を受けた。入院そしてリハビリと一年間の休業を経て、平成24(2012)年2月16日に職場復帰。それまでのドライバー職から配車係という内勤の業務での復帰となる。それまで障害者を雇用していないこともあり、インフラの整備を急ぐとともに、それまで受身のドライバーからドライバーをコントロールすることになる配車係として業務を変更して勤務することとなる対象障害者のメンタル面でのフォローと営業所の仲間の当該障害者への接し方が心配された。


2.  課題解決の工夫・取り組み

対象障害者の職場復帰に係る職場適応措置としては、インフラ面の整備と業務変更に伴う措置の2つの面から実施した。


(1)インフラ面の措置

  1. 受傷前と同様、立地の不便な営業所への通勤は自家用車(本人が改造)であることから、駐車スペースを事務所に最寄りの場所に固定確保し、玄関までのアプローチをコンクリート舗装によりスロープ化する。
  2. 事務所への出入り口のドアをハンガードアに改修する。このドアを探すのには力加減等、非常に苦労をした。
  3. 事務所内では、洋式トイレのドアを取り払い他の従業員の了承を得てアコーデオンカーテンに変更した。
  4. それまで使用していたデジタル複写機の用紙収納ケースを1段抜き、当該障害者の使い易いように高さを調節した。

(2)業務変更に伴う措置

業務変更に伴う心配については、本人がすでに取得していた運行管理者の資格を生かすことで周囲の納得が得られた。このため、資格はあるものの職務経験のない運行管理者の職務の習得(運行管理手法の習得:運転日報の見方や点呼の方法、注意点、業務管理手法の習得:過労運転の防止方法、拘束時間管理の方法等)を営業所長の指導の下、営業所の仲間の協力により日常勤務の中から習得することとなった。


3.  取り組みの効果

上述のインフラの整備で内勤としての業務にはまったく支障がなくなった。また、心配された運行管理者の職務を基礎とした配車係の業務も営業所長をはじめとした周囲の理解も有り、スムーズに進んでおり、いまでは営業所長の片腕としてなくてはならない人材となっている。規模の小さな営業所であり、初めての障害者を雇用することで思いもよらない問題が発生する心配も杞憂に終わる。逆に当該障害者を中心に以前にも増して笑いの絶えない、結束力の高まりがある事業所となり業績のアップにつながっており、職場適応措置計画の進捗状況は極めて良好に推移している。


4.  活用した助成金

重度中途障害者等職場適応助成金

認定日は平成24(2012)年5月15日となっており、支給は職場復帰日の平成24(2012)年2月16日の翌月(3月)から現在(平成25(2013)年8月)までに3回、18か月分の支給を受けた。あと18か月分の支給が予定される。





協力事業所:丸上運輸株式会社  静岡営業所


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