障害者助成金活用事例  No.119
事業所の近隣に駐車場が見つかり、自家用車通勤が可能となった障害者が、毎日いきいきと勤務ができるようになった事例

1.  課題

Kさんの障害は右下肢麻痺により歩行が困難であり、歩行には杖を利用している。勤務は事業所に出勤する日と自宅勤務の日の併用によるパソコンを使った業務(各種入力、ホームページ製作、テープおこし等々)であった。このような勤務にした理由は、本人も事業所も全日出勤による勤務を希望していたが、本人の住居と事業所には距離があり、公共交通機関を使っての通勤は乗り継ぎや歩行時間を入れると1時間半から2時間かかる。歩行には杖が必要であり、荷物を持ってのバス、電車の乗り降り、乗り継ぎは危険であった。そのリスクと本人の肉体的、精神的疲労を考え、公共交通機関での通勤は困難であると判断した。一方、本人は運転免許を持っており、自家用車での通勤も考えられたが、事業所は障害者や求職者にワードやエクセル、CADやホームページ制作等を講習(外出困難な障害者には訪問指導もしている。)するなど、パソコンでの業務を主な事業とするため街中にオフィスがあり、事業所が所有する駐車場はなく、事業所が契約した駐車場でも事業所より程遠く、本人がそこから歩いて出勤できるような駐車場ではなかった。個人で近隣に駐車場を借りる方法はあったが街中であるため賃借料が高く、事業所が支援するとしても厳しい状況であった。この駐車場問題を解決しない限り、Kさんの全日出勤による勤務は実現不可能であった。


2.  課題解決の工夫・取り組み

本人と事業所双方が全日での出勤による勤務を希望しており、事業所は何とかしたいという思いで動いていた。できるだけ近い場所で、整備された駐車場を探しながら、一方で、公的な助成金等で経済的援助が受けられるという制度がないものかサーチしていた。折しも愛媛高齢・障害者雇用支援センターに「重度障害者等通勤対策助成金の中にある、駐車場の賃借助成金」について申請要件の確認の問い合わせを行った時期でもあった。時を同じくして、事業所までの距離が40メートルと程よく近くに、段差等もなく舗装もされ、よく整備された駐車場に空きができたことがわかった。同時に同センターへ当該助成金の申請を行う運びとなった。


3.  取り組みの効果

良い駐車場が確保され、上記助成金の利用が可能となり、Kさんは通勤の困難さ肉体的・精神的疲労から開放され、晴れて自家用車通勤が可能となった。毎日元気よく出勤し、しっかりそしていきいきと仕事をしている。また相乗効果か、周りの障害者や職員にも良い影響を与えているように思われる。

荷物があったり天候が悪い日などは職員がKさんを駐車場まで迎えに行ったり、送ったりしている。

良い駐車場が見つかったことと助成金を活用することで、一人の障害者の通勤が楽にできるようになった。事業所全体からすれば小さなことであるが、一人の職員のために事業所が積極的に働きかけたことを全職員が評価してくれており、職員と事業所の信頼関係がより深まったと思われる。

本事業所は、現在、重度の障害者が在宅でできるパソコンを使った仕事を受注して請負う事業を就労継続支援A型事業所の事業として実施しているが、Kさんは今、、その事業の生活支援員としても活躍している。


4.  活用した助成金

重度障害者等通勤対策助成金のうち駐車場の賃借助成金

事業所が支払う賃借料月々9,000円 月々の助成金  6,750円
(年間108,000円) (年間81,000円)

・朝、駐車場に到着したKさん
朝、駐車場に到着したKさん

・パソコンでの仕事中
パソコンでの仕事中


協力事業所:特定非営利活動法人  ぶうしすてむ


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