障害者助成金活用事例  No.112
職場介助者の配置により利用者サービスの大幅な拡大が実現

1.  課題

(1)事業所の概要

熊本県点字図書館は、昭和45(1970)年4月1日に熊本県が設置主体となり設置された。業務内容は、本県在住の視覚障害者に対し、情報文化の提供と福祉の向上を図るため、点字図書の貸出・閲覧、点訳や対面朗読のサービス、盲人用具の斡旋、点字資料の印刷・提供、パソコンライフの支援事業、広報の配布、中途失明者訓練事業、視覚障害者生活訓練事業の実施、サピエ図書館の利用支援を実施しているほか、一般及びボランティアに対しては、ボランティア養成講座、利用者とボランティアの交流及び視覚障害者疑似体験、点字(点訳)体験等を実施している。


(2)障害者雇用に際しての考慮

平成22(2010)年4月に対象障害者(視覚障害者)を採用し、その際、ヒューマンアシスタント(職場介助者)制度の活用について検討したが、対象障害者の可能な業務を全職員が認識することが大切と考え、全職員でサポートを2年間実施したものの、視力を必要とする業務が多岐に亘ることやそれぞれの職員が各自の業務をもち対象障害者が必要とした時に十分なサポートができない状況があった。また、対象障害者も気兼ねしながらサポートを依頼している様子が伺えたことより、専任の職場介助者の配置が必要と考えた。

対象障害者は、当館採用前、障害のない人と同じコースでパソコンを習うといった大変な努力家であり、何事にもチャレンジする前向きな性格で、さらに他の業務もやってみたいという希望があった。当館としては、その意欲に応えるとともに利用者のサービス向上を図るため、対象障害者の能力をもっと生かして、業務拡充を図りたいと考えたが、そのためには、対象障害者の目の代わりになる専任の介助者が欠かせないという結論に至った。


(3)できることとできないことの選別

対象障害者には、専用の音声ソフトや機器を購入し機器の整備に努めた。その結果により点字データの校正や入力、他の障害者等に対する点字指導、中途視覚障害者の相談、電話での質問等に対しての受付及び電話によるパソコン相談等業務に関することは介助なしでできるが、点字図書や録音図書貸出・返却、図書製作に係る工程表の管理、点字図書や蔵書の管理、点字資料の印刷と提供、盲人用具の斡旋、視覚障害者へのパソコン指導等に関する図書館業務は、介助なしでは成し遂げることができない。


2.  課題解決の工夫・取り組み

対象障害者が介助なしでは困難な業務を可能にするために職場介助者を配置した。 さらに、介助者には、改めて視覚障害についての理解を深めてもらうため、視覚障害者に対する手引き歩行・代筆代読等の研修及び視覚障害者の疑似体験学習を実施した。その中で、点字名刺の原版つくり(パソコンを使用し作成)、図書の製本及びのりづけ作業等を音で聞いて、頭で認識した作業を実際にやってみることで、どういう工程で作業が進められているのかを体験すること等もしてもらった。


3.  取り組みの効果

介助者によるパソコンでの点字図書や録音図書の在庫確認、貸出や予約状況の確認、貸出決定に当たっては貸出先の住所等の活字の読上げ、必要に応じた校正を実施して発送、図書目録の作成や図書製作に係るボランティア実績表を作成するための読上げ、盲人用具等のカタログの読上げ、利用者のパソコン講習受講時のパソコン等不具合の処理、点字資料印刷依頼時の点訳する原文章の読上げや点字印刷、経理出納時の領収書、注文書、請求書や郵便振替用紙の代筆、その際の活字文書の読上げ等を介助者が介助・補佐することにより対象障害者の能力が十分に発揮できるようになった。

また、介助者に視覚障害者の疑似体験学習等を行ってもらうことで、対象障害者に対してより的確な介助ができているものと思われる。


4.  活用した助成金

障害者介助等助成金(職場介助者の配置)






協力事業所:社会福祉法人  熊本県視覚障がい者福祉協会  熊本県点字図書館


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