障害者助成金活用事例  No.120
手摺のレイアウトを工夫したコンパクトな車いすのためのトイレ

1.  課題

株式会社りゅうせきビジネスサービスは沖縄県浦添市にあり、人材派遣サービス・人材紹介サービスを営んでいる。対象障害者は脳性麻痺による四肢・体幹機能障害2級(女性)で、車いすを使用しており、主な従事業務はデータ入力、書類のファイリング等で、4階フロアーが勤務場所である。

採用にあたり、重大な課題はトイレで、車いす専用トイレに改修できれば良いのだが、費用面もさることながらフロアーそのものが狭小のため困難で、かつ4階フロアには、女性従業員25名が勤務する中で、女性用トイレには2戸の個室しかなく、これを1戸にすることもできず、これらの問題を解決する必要があった。加えて、トイレの前の通路の幅が狭いために、車いすで壁を傷付ける恐れがあるために非常に気をつかわねばならないこと、トイレの出入口が開き戸のため開閉が困難であること、個室トイレの戸が内開きのため便座周りの空間が狭いこと、手摺がないため車いすからの移動で転倒の危険があることが課題として考えられた。


2.  課題解決の工夫・取り組み

そこで、対象障害者に立ち会ってもらい、トイレの使い勝手を確認する場を設け、意見・要望を聴いたところ、本人は手摺があれば立ち上がることはできるということであったので、本人に合わせて、2戸の個室トイレ数は現状維持のままで、以下の手摺設置を含めてレイアウト等の工夫をすることにした。

また、設置にあたっては、勤務開始日まで期間もなかったことにより、急を要したので、認定申請書の提出と同時に着手希望(予定)日を記載した事前着手申出書を提出し、早速、同事前着手予定日の翌日からの3連休を使って改修工事を行い、同連休の間に工事を完了することができた。

課題解決の工夫・取り組みは以下のとおりである。


(1) 通路及びトイレ室内で車いすと壁の接触が頻繁に発生するため、キックプレートを取り付けた。また、車いすで角を曲がりきることができなかったので、角の通路の幅を広げた。
(2) トイレ出入口を開き戸から引き戸に改修した。
(3) トイレ個室ドアを内開きから外開きにした。
(4) 車いすからトイレ便座に乗り移るために、何処に手摺を設置すべきか、また、本人の身長等を考慮して、手摺の高さ等を決めた。

3.  取り組みの効果

(1)については、キックプレートを取り付けることにより、狭い通路、トイレ室内の壁に車いすの接触による傷を付けることがなくなり、また、角の通路の幅を広げたことにより、車いすでも角を曲がりきることができるようになり、移動のストレスが大幅に軽減した。


(2)については、トイレ出入口を引き戸に改修することにより、車いすでも単独でドアを開閉でき、容易に出入できるようになった。


(3)については、トイレの個室ドアを外開きにすることにより入出時の便座周辺の空間が広くなり、快適・安全にトイレを使用できるようになった。


(4)については、手摺のレイアウトを工夫し、ドア内側や床面等に手摺を設置することにより、車いすから便座に、便座から車いすに移ることができるようになった。


以上により対象障害者にあわせて個別に手摺のレイアウト等を工夫することにより、女性用トイレを2戸確保したまま対象障害者のためのトイレが確保され、また改修費用を圧縮することができた。

総合的には、改修工事の実施により、対象障害者の障害特性を踏まえた適切な対策を講じることができ、働きやすい職場環境を整えることができ、あわせて、本人の就業への満足度・意欲も高まり、安定した継続雇用に繋がっている。


4.  活用した助成金

障害者作業施設設置等助成金(第1種作業施設設置等助成金)

改修費用  78万円    助成金額  48万円


事業所の外観
事業所の外観

作業風景
作業風景

イ  キックプレートの取付
イ  キックプレートの取付

ロ  引き戸への変更
ロ  引き戸への変更

ハ  外開きへの変更
ハ  外開きへの変更

ニ  工夫した手摺設置位置
ニ  工夫した手摺設置位置


協力事業所:株式会社りゅうせきビジネスサービス


独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 検索画面へ 障害者雇用事例リファレンスサービス