株式会社障がい者つくし更生会

1. 事業所の概要、事業所設立の経緯

(1)事業所の概要

  1. 事業所の特徴

    株式会社障がい者つくし更生会(以下「つくし更生会」という。)は、職につくことの難しかった障害者のために、仕事を創り出し、働く場を確保するために設立された企業である。昭和59(1984)年3月に設立され、今年平成26(2014)年で30年目を迎えた。

    春日市と大野城市より委託を受け、不燃性一般廃棄物中間処理施設の運転・管理を行っている。従業員のほとんどが障害者であり、さらにその多くが業務に必要な資格を有する。また、障害のある従業員の障害種別は、聴覚障害、肢体不自由、内部障害、知的障害、精神障害、発達障害とさまざまであり、うち8人が重度障害者である。

  2. 設立趣旨・使命

    つくし更生会は、その設立趣旨を「障がい者が自ら雇用の場を創造・開拓し、以って障がい者の自立更生を図る」とし、実践してきた。これは自身も障害者であるが故に、就職することができなかった現在顧問を務める小早川氏の実体験から、障害者が働く会社を自ら立ち上げたことに端を発する。

    また、「障がいがあっても、物心両面の環境が整えば、一人前の仕事ができる。障がい者と健常者は一体となれる。それを証明し伝えること」を使命として掲げ、日々その証明のために一丸となって取り組んでいる。

    *「」はつくし更生会概要の資料より抜粋。

(2)事業所設立の経緯

  1. 顧問の小早川氏は、20代で重度の結核を患い、治療のため片側の肋骨を6本切除するという大手術を受けた。その効果もあり病状は回復したが、かわりに左上肢機能障害が残ってしまった。長い闘病生活の末、病気も完治し就職活動を始めるが、元結核患者ということと、左上肢機能障害があるということで、当時小早川氏を雇ってくれる企業はなかった。このような経験を通して、もう誰にも自分と同じような苦しみやつらさを味わってほしくないとの気持ちが芽生え、小早川氏は障害者雇用に携わることになるのである。

    小早川氏が60歳を迎えようとする直前、春日市と大野城市で不燃物処理工場を作る計画が持ち上がり、そのことを耳にした小早川氏は、早速両市に働きかける。障害者による手選別方式を用いた環境にやさしい処理施設の建設を提案し、障害者の働く場を作ってほしいと陳情したのである。その陳情を受けたそれぞれの市長は参考になりそうな他県施設へ視察に行く、議会を説得するなどして、その陳情を受け入れるとともに、小早川氏たちに手選別方式を用いた処理業務を委託することを決定したのである。そこで急遽、業務委託を受けるための組織作りが必要となり、株式会社身体障害者つくし更生会(後に現社名に変更)が設立された。

    設立に当たり、障害者やその家族、支援者に呼びかけ1,000万円の資金を調達した。障害者の雇用の場を確保するのが目的の会社であるため、利益が出ても配当はない。それでも志を同じくする多くの賛同者を得ることができ、無事に会社を興すことができたのである。ここに、自己利益のためではなく、障害者のためにと考える小早川氏の人望の厚さと信念を感じることができる。

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