JMUビジネス・サポート株式会社

2. 障害者雇用の現状と課題

(1)障害者の配置と従事業務

従業員46名のうち障害者は26名(本社22名、舞鶴支店4名)で、障害の内訳は次のとおりである。

本社22名の内訳は、身体19名(重度10名、重度以外9名)、知的2名、精神1名。身体障害19名の内訳は肢体不自由15名(うち車いす利用者は4名)、内部障害3名(人工透析1名、肝疾患1名、心疾患1名)と聴覚障害1名である。

従事している業務は、総務、設計(船殻CAD、艤装CAD)、ドキュメント(複写、スキャン)等で、いずれも基本的にはコンピュータや複写機等の事務機器を使用するデスクワークであり、比較的に身体への負担が軽い業務となっている。

舞鶴支店4名はすべて知的障害であり、従事している業務は清掃業務である。


部  署 人  員
障害のない者 障害者 障害の内訳
部長・支店長 2 2 0  
総務部 総務グループ 2 1 1 身体(1)
事業部 船殻CADグループ 10 3 7 身体重度(4)、身体(2)、知的(1)
艤装CADグループ 11 3 8 身体重度(4)、身体(4)
ドキュメントグループ 13 7 6 身体重度(2)、身体(2)、知的(1)、精神(1)
舞鶴支店 8 4 4 知的(4)
合  計 46 20 26 身体重度(10)、身体(9)、知的(6)、精神(1)

(2)設計スキルの育成

当社が創立される際に、最初の人材募集を行った。ほとんどは熊本県内からの採用だが、その他、大牟田等九州内、更に四国からの採用もあった。年代も多様で、障害を負った経緯も多様であった。

またCADのスキルにしても、専門学校などで学んできた人もいれば、特別なスキルがなく入社後に学んでいった人もあり、習熟度は多様であったがその差はさほど意味を持たない。なぜなら、造船設計のためのCADは専用のもので一般的なものではなく、ほとんどの社員にとっては入社後に学ぶしかないからである。

造船のための設計スキルを習熟するには短くても5~6年はかかると言われる。設立後まだ3年の当社ではスキルの習熟度はまだまだだと言える。早急な人材育成が求められる所以である。

設計スキルの指導については、各グループ(船殻、艤装)に3名ずつ指導員を配置している。これら指導員はJMU本体での研修を積んだ者である。将来は当社内で指導者を育成し、自社だけで継続的なスキルアップの体制をと考えている。


(3)障害とスキルアップの課題

設計業務のスキルアップに対してデジタル技術の進化が与えている影響は大きい。デジタル技術そのものが未発達だった20年前には設計はすべて製図台で行われる手作業であり、その習熟も、スキルの伝達も長い時間が必要であった。現在、デジタル技術による設計がかつてと比べて習熟の速さを格段に進歩させたことは言うまでもない。

しかし、造船という特殊な産業において、身体の障害が大きな課題を有していることも事実である。それは、デスクの上で設計することはできても造船の現場を体験することがむずかしいという点にある。

造船の工程は工場建屋内外及びドック等の現場でしか見ることができず、運転状況は海上での確認作業となる。そこは車いすでは簡単に行ける場所ではなく、設計が実現化されるその場を自分の目で確かめることができない課題がどうしても残る。とりわけ新人の頃は、自分が設計したものがどのように造られていくのかを見ることは、やりがいを感じ、かつ反省点を見出すこともできる重要な機会である。

それで、他の社員が現場の様子をビデオ映像に収め、そのビデオを社内で見る試みも行っているが、現場における視覚情報やその周辺に感じ取る生きた情報のリアリティは、なかなか伝わるものではない。例えば通路の広さを数値だけでイメージするのと自分の身体で感じるのとは大きな差がある。このギャップをいかに克服していくか、これからの課題である。

但し、性急に多大な成果を期待するのは禁物である、と当社は戒める。障害を負っていることを前提に就労環境を整備していかなければならないのであって無理はさせられない。障害や疾病が悪化する可能性を配慮すれば、過労は絶対に避けなければならない。特例子会社としての社会的役割がすべての前提であると、考えている。


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