JMUビジネス・サポート株式会社

4. まとめ:人の心に与える影響

当社には、ジョブコーチが1名、障害者職業生活相談員(以下相談員)が5名いる。社長、事業部長も相談員の一員である。もちろん、就任後に資格を取得した。

「相談員の資格を取ってみて、これまでと違う思考回路が生まれたような気がしました」と林田社長は次のように語る。

「障害というものについてそれなりの理解をしていたつもりでしたが、実際に身体に障害を持つ皆さんと接するのは初めてでした。それまでエンジンルームの設計を担当してきて、いわば鉄を相手に仕事をしてきたわけです。それが今度は人を相手に仕事をしている。使う脳が違うなぁと感じますね。そして、ふと気がつくと、私たち自身も変化しているんですね。先日、ある障害のない社員が『最近、私が優しくなったと、周りから言われるんですよ』と話してくれました。ああ彼も成長しているんだなぁと思ったところでした。そういうことを聞くと、うれしくなります。また、障害を持った社員から『これからもこの会社で働きたい』と言われると、やっぱりうれしいですね。」

障害者雇用が、他の社員達に、経営者グループに影響を与え、新たな企業文化のようなものを育みはじめているのかもしれない。それは心優しい企業文化のあり様なのであろう。

しかし、心優しくあろうとするがゆえの反省や悩みもあるという。思い入れの深さが深入りにつながるケースもあるという悩みである。相談に親身になっているうちに、家庭のことにまで立ち入ったりする。それも決して悪いことではないが、本人の自立を阻害してしまう可能性もあるかもしれない。どうあるべきなのか、答えは簡単に出そうにない。

執筆者:株式会社エアーズ  森  克彰
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