有限会社親生ビルサービス

4. 今後の展望

清掃と聞くとモップで床を拭く程度しか思い浮かべることができなかったが、近年は建築に多様な素材が使用され、清掃もそれぞれの素材、空間にあわせた方法が必要になり、単純な清掃作業ではなくなっているそうだ。

専門的な知識と管理能力が必要で、清掃も事後清掃から予防清掃へとシフトしているという。予防清掃とは、建物内に汚れを持ち込ませない清掃、汚れる前に処置し、定常的に美観・衛生を保持する清掃方法である。特に工場では一つのゴミが一億円の損失を与えることもあり、工場に入場する際には、金具、化粧品、シャープペンシルなどの持ち込みを禁止し、建築物の素材に合ったコート剤を選び、汚れない予防清掃が重要になってきている。

また、昨今ではダニやほこりによるアレルギー対策、ウィルス対策、病院などでは院内感染や空気感染(空調機)など様々な問題に対応する清掃の重要性が取りざたされている。そのため、「清掃」は一般に知られていない様々な専門的な知識が必要であり、今後ますますビル・メンテナンスの需要は高くなってくる。

しかし、一方で人手不足という状況もあるということだった。そのため、当社で雇用している障害者は、従業員の一人として大切な人材であり、十分な指導や教育が行われている。日常の生活から学ぶ職業技能としての清掃活動は特別支援学校の小学部から、中学部、高等部と徐々に広がりつつある。清掃をすることで「きちんとやること」を理解できるようになり、普段の生活にも役立つ教育になると思われるからだ。ビル・メンテナンスに興味を持ち、しっかりとした知識を身につけた人材が育つことを期待する。

最後に、ビル・メンテナンスのように自社の設備ではなく、他社のビルや設備が作業現場となるところでは、他事業所の協力が必要である。現場となる他事業所には、親生ビルサービスのように障害者を受け入れている事業所に対する理解をお願いしたい。

執筆者:宮崎公立大学  人文学部国際文化学科  教授  辻  利則
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