株式会社九州フジパン

3. 具体的な取組とその効果

(1)作業の細分化・構造化

工場内でのライン作業ということもあり、作業工程のほとんどを機械が担っている。しかし、前述したように従業員の手作業によって行われる工程もあり、そのほとんどが単純作業である。

知的障害者は認知機能の障害があるため、作業を単純化すること、工程を細分化することで理解を促し、作業遂行を可能にすることができるのだが、ライン作業ではすでに作業の単純化、工程の細分化がなされている。また、突然の変更を苦手とする者が多い中、毎日決められた時間に決められた作業を行うことに関しては高い集中力を有する者が多いため、障害特性と作業内容がマッチングした良い例といえるだろう。


(2)指示命令系統の一本化

当社では、ラインごとに責任者がおり、係長やライン長を中心に従業員が指導を受けながら業務を行っている。組織のなかに上下関係があることで、知的障害者は誰から仕事の指示を受けたらいいのか、分からない時や困った時は誰に相談をしたらいいのかを理解しやすい。また、一緒に作業をする他の従業員も、障害者である従業員の気になった点、困った点等を係長に相談することができる。そのためにも、日頃から指示命令系統を一本化し、組織化されていることが重要である。これが、障害者も含めた従業員の働きやすさの要因のひとつであると考えられる。


(3)ライン(小グループ)による管理体制の確立

当社ではラインごとに製造するパンの種類、勤務時間等が決められており、ラインに従事する従業員はひとつのグループとして機能している。新たに障害者を雇用した際、障害者を配置するラインの従業員に障害の特性や傾向等、配慮すべき点や工夫する点を伝え、その後は従事するラインの中で対応を検討させる。就職面接の際に聞き取りした内容をもとに障害者の能力(得意なこと、できそうなこと)を見極め、ラインに配置し障害と作業の適正性を判断する。問題がないようであればそのまま配置する。日頃からラインで作業を行うため、ラインとしての凝集性は高く、障害者への対応や指導の面で検討事項が発生しても、基本的にはこの中で相談し、改善に至るケースがほとんどである。

また、女性パート従業員が多いため、障害者である従業員も温かい雰囲気で受け入れられることが多い。多少の変化も気にかけ班の中で対応策を考えていける社内の雰囲気は、長年障害者を雇用してきた当社ならではのことではないだろうか。


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