山下医科器械株式会社  佐賀支社

3. 取組の効果

当社の他の事業所で障害者が働いていることは知っていたし見たこともあったが、実際に当事業所で雇用する状況になったとき、最初は不安があったとのことである。発達障害についての理解不足の点があったことに加えて、「汎用性発達障害」という言葉も始めて知ったからである。しかし現在は、真面目で、指示されたことを確実に丁寧な作業を行う様子に障害者であるということを忘れてしまうほどであるという。「口数が少ない青年である」との認識の方が強く、時々「応用力が少し足りないかな」と思うことがあるが、それは仕事上何の問題もないとのことである。

当人の仕事に対する心構えとして、メモ帳を決して手離さず、教えたことは必ずすぐメモをする、という姿勢が入社時から全く変わっておらず、こういった行動は他の社員にも良い影響を与えている。

また、仕事中に発生する空き時間を把握しその時間を有効に使うために、時系列で日報を書かせることにしたが、採用当初は空き時間を把握することが目的の日報記入であったため1日の大体の空き時間を把握できれば良いと思っていたところ、やり取りを始めてみると仕事中に感じた様々な思いや気付きなどを書いて提出するようになり、精神状態を把握できる手段にもなっており、現在も継続している。

言葉数は少ないが、休憩室での昼食時には休日の出来事を楽しげに話してくることもある。また、こちらから興味があるような事柄の新聞記事について質問するなど、障害者自身の負担にならない程度にコミュニケーションを図っている。

当人も、「今の職場は人間関係も良い。順調に仕事ができている」と話していた。前職は県外にある自動車や船の部品を作る工場で働いていたが、独特な油の臭いが嫌で続かなかったとのことである。「今の職場で大変だなと思うことは何かあるか」と聞いてみたところ、「何もない」との答えが返ってきた。

支社長が何度も口にする「障害者と思っていない」という周囲の認識が、当人にとっても「自分を職業人として認めてもらっている」という意識につながり、自信にもつながっているものと思われる。


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