株式会社コーリツ

3. 取組の内容

(1)障害者の労働条件について

当社の障害者の雇用形態は、他の従業員同様で1日8時間(週5日勤務)としている。残業や休日出勤も、勤務状態や体調を考慮して、本人の承諾の上で実施してもらうこともある。業務が辛いと考えずに、逆に責任感を感じてくれる姿が周囲の従業員だけでなく他部門の従業員のモチベーションを上げている。

当社では、採用時の条件として次の2つのことを確認している。

  (ア)この会社で働きたいと自分で思っているか。

  (イ)会社まで自分一人で通勤できるか。

あいさつができない、言葉遣いが悪い、家庭や学校での躾が・・・などは、入社後に会社の色に染めれば良いと思う。

当社では、障害者雇用の目的の一つに、別府市の社会福祉法人太陽の家創立者の中村裕氏が提唱した『税金が払える障害者雇用』を常に念頭に置いている。この言葉には、とても意義深い考え方があると感じられた。

当社では、雇用している全ての障害者が普通に税金を納めていることは言うまでもない。


生産管理課の仲間たち
生産管理課の仲間たち


(2)職場環境づくりについて

一般的に、「企業は現状の自社の業務の中で障害者にできる仕事を探して、合致すれば雇用する」という考え方もあるようだが、私たちは、「普通に考えて、普通に接する」と言っているように、雇用した障害者本人に合致する業務を広く社内に探せば良いという考えでこれまで進めてきた(どんな仕事が合致するかは、受け入れてから考えても良い)。

これは、同様に障害のない者/障害のある者の区別をことさら付ける必要が無いと考えているからであり、これまで円滑に進められていることが何よりも裏付けられているのではないかと思う。

業務中に気分が悪くなれば、椅子に座っての作業にしたり無理な負荷がかからないようにするなど、働きやすい環境が如何に大切であるかは誰もが理解しているが、「働きやすい環境」はそれだけでは作れない。ではどう実行するかが問題である。

そこで数年前より毎月1回の割合で障害者に対して個人面談を行っている。この面談を行うこととした発端は、「悩みや話を聞いてほしいがなかなか言い出せない」といった事例があったことから始めた。その際、双方ともに気楽な方法を模索した。それを当社では“個人面談”としているが、現実には”言いたい放題面談”であり、1人当たり10分~20分の時間を使っている。

最初の数カ月は全員が数分で終わり、言いたいことも言えない様子であったが、今では個人面談を待ち遠しく感じてくれているようである。

個人面談で提示された案件を、できること、できないことを協議して実行する時は、上司も部下もなく平等に協議して、実践する内容まで決めてしまうことにしている。これについては、コミュニケーションもモチベーションも上がること請け合いである。

当社では、現在3名の障害者職業生活相談員と1名の第2号職場適応援助者(ジョブコーチ)を配置して企業内での自主自立支援も進めている。

性別/障害・程度に関わりなく、18歳から64歳までの年齢幅を雇用していることをもって『良い就業環境』と捉えるのは手前味噌と言うのだろうか。

各自の適性を把握して最も適正な職場に配属することとした結果、生産管理(供給、仕分、梱包、発送)に多く配属して業務に従事してもらっている。生産現場では、流れ作業が主体となるために、決まった時間(数十秒)で決まった数量を生産し続けることは、知的障害者や精神障害者には、無理が生じることがあった。しかし、決まった作業でも大きな区切り(1日の計画数量や午前中の準備数量等々)で作業を行うと、大いに能力を発揮することが分かった。加えて、彼らの作業の精度の高さは、仕分け間違いや誤梱包を発生させていないことや、安定して作業を継続する真面目さからも見て取れる。


生産管理課の作業風景

生生産管理課の作業風景

生産管理課の作業風景
生産管理課の作業風景


(3)障害者の定着対策について

最初に雇用して、不本意な理由での自己都合退職者が1名いたが、その退職の原因分析と対策も講じている。取り決めたことや約束、依頼されたことなどをこちらの都合で守らないことがあれば、ひょっとすると辞めたくなるかもしれない。どちらに都合を合わせるか考えれば済むことであった。

当社の障害者雇用の実態を一言で表現するならば、『強い自閉症で数カ月で退職する』と言われた障害者が、現在も普通に勤務して、既に12年経過していることで理解していただけると思う。トップから担当者まで、『障害者』を雇用しているという意識は無いのかもしれない。それは当社の文化なのだ。


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