社会福祉法人  日向更生センター  宮崎市養護老人ホーム  清流園

3. 取組とその効果

養護老人ホーム清流園の清掃業務において、3名の障害者の指導にシルバーの方2名を雇用した取組は、障害者とシルバーの方、そして清流園の職員にとっても非常に良い効果を与えている。

シルバーの方は交代で必ず2名のうちどちらかが勤務するようにし、清掃業務等についてのほとんどの指導をシルバーの方に任せている。シルバーの方から見ると障害者の方は息子か孫の年齢の頃で、賃金は少額ではあるが、ボランティア的な感覚で一生懸命に指導をされている。

写真3は「手書き」と「ワープロ」で作成したシートであるが、「手書き」はシルバーの方が清掃する障害者の作業し易いチェックシートを考え、清掃業務担当の職員に提案してきたものである。右のシートはシルバーの方の真剣な態度に職員が感動し、「ワープロ」を用いてきれいにチェックシートを作成したものである。

このチェックシートにより、障害特性から急なスケジュール変更等が苦手で、作業が抜けることの多い障害者にとっては、本人自身でチェックしながら作業を進められるようになり、作業が抜けること無くできるようになった。そして、このチェックシートをシルバーの方と職員で作ってくれたことで、周りの人たちが自分たちのことを真剣に考えてくれていることがわかり、以前よりも増して一生懸命に清掃業務をするようになったという。信頼関係が深まり、自発的に行うようになったことがもう一つの大きな成果だろう。


写真3  手書き(左)とワープロ(右)で作ったチェックシート
写真3  手書き(左)とワープロ(右)で作ったチェックシート


職員が中に入って清掃業務をやることもできるが、他の業務もあって時間的に難しいところを、シルバーの方がうまく障害者と職員を繋ぐ役目を果たしている。一方でシルバーの方から注意されて障害者が落ち込んでいたら、周りの職員が声かけをし、施設長は定期的に障害者とコミュニケーションをとり、シルバーの方のできない注意などしてお互いがうまくサポートしている。福祉施設における清掃業務は、感染症予防など非常に大きなウェイトを占め、清掃業務以外の職員も注意を払っておかなければならない大切な業務である。そういう意味では、障害者を雇用することで清掃業務に職員も関わりをもつよい機会になっている。

入園者と障害者とのコミュニケーションについて、たとえば入園者が認知症であったとしても入園者への対応で特に困ったことはないという。逆に冗談を言い合って上手にコミュニケーションをとる姿をよく見るそうだ。そして、元気な入園者の中には障害者のことをよく理解し、時々抜けがあっても文句を言わず声かけをしてくれる。入園者の方からの感謝の言葉などの声かけは、働いている障害者にとって大きなやり甲斐に繋がっている。

現在、3名の男性の障害者が雇用されているが、清流園の職員には女性が多いので、日々の業務や行事の準備における力仕事ではいつもよく手伝ってくれるので助かっているという。また、交流を深めるための施設の行事である誕生会や敬老会でも、演芸をお願いすると入園者の前で、歌を歌ったり、変装して踊って見せたりと自分の好きな歌や芸を披露して場を和ませてくれている。清掃業務だけでなく、様々な面から清流園を支えていることがわかる。


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