さつきコーポレーション株式会社

2. 障害者雇用の理念・ポリシー

形になっている障害者雇用の理念は存在しないが、当社の事業理念(前記「1.事業所の概要」の項で紹介)が障害者雇用の場でも貫かれており、とにかく「こころ」を大事にするようにしているという。

また、当社では、障害者を雇用するにあたって特段の金銭的投資は行なっていない。その代わり、時間と手間と愛情は惜しみなくつぎ込むことをモットーとされているようだ。誰でも最初から仕事ができるわけではない。他の誰かに教わって、少しずつ覚えていくものである。知的障害者に仕事を覚えてもらうには、教える時間も手間もかかるが、それを厭わない。障害のない者に比べて歩みが遅く、遠回りもするが、ただそれだけのことであって、必ず仕事はできるようになると考えている。障害者の可能性にフタをしないのである。藤崎施設長は次のように言う。

「障害者だから仕事ができない、障害者に任せる仕事はないと言う人がいます。その人が言うのは、単なる決めつけに過ぎず、事実ではありません。その人自身が勝手に決めつけているだけであって、仕事ができるか否かはやってみなければ分からないのです。」

まさにその通りである。障害者に任せる仕事がないというこの決めつけが、いかに蔓延し、障害者雇用最大の阻害要因となっていることか。

加えて、取材中に藤崎施設長の口から何度も発せられた次の言葉もはずすわけにはいかない。

「(障害者を)使っているのではありません。働いてもらっているのであり、助けてもらっているのです。自分がやるべき仕事、やらなければならない仕事を自分に代わってやってもらっているのです。」

職員に対しては、誰であろうと悪かったら叱る、頑張ったら褒めることを徹底しており、それは障害者であっても例外ではない。極めてシンプルかつ明快であり、公平である。

特に「叱る」という行為に関しては、相手に合わせた配慮はしても遠慮や手加減は一切しない。あらかじめ何らかの効果を狙った計算もない。厳しく叱るが、責めることはしないし、後まで尾を引くこともない。次の瞬間にはカラッとしていて、小気味いいくらいである。

反対に、一所懸命に取り組む姿勢に対し、あるいはきちんと業務をこなしたことに対し、感謝と褒めることも決して忘れない。メリハリの効いた、裏表のないこうした日頃のマネジメントが当社における障害者雇用を可能ならしめているのではないだろうか。


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