株式会社ナカシン冷食

1. 事業所の概要、障害者雇用のきっかけ・背景

(1)事業所の概要

水産品、農産物などを原料とする冷凍食品の製造販売業である。主たる取引先には、国内の大手スーパー、学校給食会などがある。

明治中期より水産練り製品(鹿児島名産さつま揚げ)や鮮魚を取り扱っていた個人商店をルーツとする有限会社中新商店から、昭和61(1986)年に分離独立して当社を設立した。平成4(1992)年、現在地に本社工場を新築移転して現在に至る。

官・学との連携にも意欲的で、県内企業の中でも非常に早い段階から、食品安全マネジメントシステムISO22000を取得するなど、進取の気性あふれる企業である。


(2)障害者雇用のきっかけ・背景

今回、取材全般に応じてくださったのは、中尾好伸代表取締役社長である。

障害者雇用のきっかけについて尋ねたところ「私は何もしていません。全て先代社長(現在は相談役)が障害者雇用を始めて、私はそれを単に引き継いだだけです」と柔和な顔で言う。

確かに、障害者が多数活躍している職場を見て育ったという環境、先代社長の薫陶もあっただろう。しかしそれだけではない。経営学やマネジメント論の勉強だけでなく、障害者雇用についても、ご自身でかなり勉強されていると見受けられる。そして座学だけでなく、障害者雇用のトラブル解決のために、先頭に立って取組んできた経験も豊富である。自信と信念に裏打ちされた障害者雇用が形になっている。「単に引き継いだだけ」ではないのである。

同社における障害者雇用の始まりは、当社設立以前の有限会社中新商店の時代、なんでも身内に障害を持つ方がいて、その方をカヤの外に置くのではなく、一家の一員であることに変わりないのだから、みんなで力を合わせて事業を盛り立てていこうというような「自然」の成り行きだったという。

もう一つ、障害者雇用の背景となっている大切なことを挙げておく。当社の社是である。

「私たちは『食卓に笑いを届ける』ことを企業理念とします。そのためにより働きやすい環境を作り、より良い商品づくりに不断の努力をし、社員の生活が豊かになるように努め、その経営資源を基に地域をはじめとする社会に貢献をし、全社員が誇りを持てる企業作りを目指します。」

当社には勤続20年を越える障害者も在籍している。高い定着率=長い平均在職期間となっている要因、障害者雇用が着実に広がっている要因について、中尾社長は「1番は何といっても社風・風土でしょう」と語るが、その社風・風土を育んできたのがこの社是ではなかろうか。


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