障害者助成金活用事例  No.126

研修における確実な情報伝達のために手話通訳を配置した事例


1. 課題

株式会社鯖江村田製作所は、昭和54(1979)年4月1日に福井県鯖江市にて創業。株式会社村田製作所100%出資の子会社である。従業員規模は420人。可変コンデンサなどの金属機構商品等の電子部品製造の他、電子部品の製造を支える精密加工品(金型・治具)の製作、電子部品へのめっきを行っている。

現在の雇用障害者数は10名、聴覚障害の人が半数である。平成25(2013)年に公共職業安定所の紹介及びろう学校との調整により、新規学卒者Aさん(聴覚障害3級)を採用した。新規学卒者として障害者を採用することは初めての試みであった。

製造課部門に配属されたAさんは、電子部品の機械オペレータの業務を担当している。具体的な内容としては金属機構部品(トリマコンデンサ)を製造する機械の操作及びその準備作業である。

Aさんは、入社前に当社において職場実習を行っており、その際に他のスタッフとのコミュニケーションは主に口話の読唇や筆談を交えてとっていたため、通常の業務の中で行われる社員同士のコミュニケーションが円滑に行えることは確認済みであった。しかし、新入社員研修などの長時間の研修においては口話の読唇だけではAさんにとって大きな負担となることが懸念された。


2. 課題解決の工夫・取り組み

Aさんの負担を少しでも軽減させるため、社会人としてのマナーをはじめ、業務の専門的な分野について教育をする新入社員研修や、品質管理の研修を対象に、手話通訳者の委嘱を実施した。

手話通訳者を委嘱した研修を契機として、手話に関心を持つ社員が少しずつ増え、Aさんが企画した手話交流会では、手話に興味のある社員が部署を越えて集まり、手話を通して交流を図っている。この交流会は、2~3週間に1回のペースでの不定期開催であるが、人事担当者の協力のもと、挨拶や指文字などを楽しく学んでいる。


3. 取り組みの効果

手話通訳者の委嘱により、入社時における教育及び品質管理教育を円滑に伝達することができた。

特に、新入社員研修は、製造部門固有の安全衛生や品質管理教育等についてを学ぶ3日間の研修であったが、手話通訳者を委嘱することで、読唇によるAさんの負担を軽減することができた。

また、手話交流会を行うことで、社員と聴覚障害の社員が、手話で挨拶を交わす場面が増えた。手話でコミュニケーションを取ることで、社員同士に交流が生まれ、互いの信頼関係や聴覚障害をもつ社員の安心感にも繋がっている。

Aさんの業務や日頃の取り組みに対し、鯖江村田製作所の半期ごとに行われる部門内の表彰において、Aさんが部門長表彰を受賞した。


4. 活用した助成金

障害者介助等助成金(手話通訳担当者の委嘱)を活用。

2回受給し、助成金受給額は102,000円である。

障害者助成金については、村田製作所グループ各社においても職場環境の充実のために活用したことがあり、今回の鯖江村田製作所での助成金活用のきっかけとなった。


会社外観
会社外観

研修風景
研修風景


協力事業所:株式会社鯖江村田製作所
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