障害者助成金活用事例  No.127

障がい者とともに働く環境づくりと理解促進


1. 課題

(1)ワコール流通㈱における障がい者就業状況


《従業員》   聴覚障がい者、身体(肢体不自由)障がい者、知的障がい者、ペースメーカー使用者
雇用形態はいずれも契約社員
《従事業務》   倉庫内軽作業(衣料品のパッケージ作成、ラベル貼り(剥がし)、値札付け等)

(2)課題

  • 聴覚障がい者をはじめ、障がいのない者と同じ職場で働く障がい者とのコミュニケーションがうまくいかないことから、周囲との壁が生じたり、情報伝達が滞ることで本人の就業意欲や全体の業務遂行にまで悪影響が出てしまう弊害が生じていた。
  • 障がいのない者の目線では気付かない障がい者にとっての不便さや危険に対して配慮が行き届かず、そのことが障がい者にとっては不満や不安の原因になることが往々にして発生していた。

2. 課題解決の工夫・取り組み

  • 従業員全員参加の昼礼や説明会などを行う際は、手話通訳者の派遣を専門機関に依頼し、情報伝達を少しでも改善できるように職場環境を整えている。
  • 2~3ヶ月に一回、聴覚障がい者を集めて手話通訳者による通訳のもとにミーティングを行い、会社生活や業務に必要な情報伝達を行うとともに、不明な点が残らないように質疑応答を繰り返し実施する。あわせて、会社生活や業務の中で日頃、疑問に思うことや要望を率直に聞きだし、その対応について、その場で判断できることはその場で決定して伝える。その場で判断できない・対応できない要望等については、長期放置することなく、次回のミーティング時までに必ず対応策を検討し、一つひとつ回答するようにしている。
  • 身体(肢体不自由)障がい者の通勤や勤務において不便なことがないかを点検し、必要に応じて設備の強化や通勤途上において道路補修が必要な場合は、行政に対して補修の依頼を積極的に行っている。
  • 年に1回、人事部主催の従業員研修会を実施し、他事業所の障がい者とも交流できる機会として、積極的な参加を促している。
  • 定期的に人事部の担当者が1対1の個別面談を実施し、悩みや問題を抱えた者がいないか、各自のありのままの状況把握に努めている。
  • 今後は、さらに、障がい者を実際に受け入れている部門の部門長や同部門のメンバーに対しての勉強会の開催を通じて職場全員が気持ちよく働ける風通しの良い環境づくりをめざす予定である。

3. 取り組みの効果

  • 聴覚障がい者から気軽に挙がってくる要望の中には真に職場改善につながるものもあり、その結果、日常業務の効率化に大きく役立っているケースもある。
  • 退職希望を申し出る障がい者は極めて少なく、障がい者の雇用の定着につながっている。このような結果からしても、手話通訳者の活用の成果が現れているのではないだろうかと十分に推測される。

4. 活用した助成金

手話通訳者の派遣に係る費用については「手話通訳担当者の委嘱助成金」を活用し、平成26(2014)年度に認定されてから、今まで2回受給し、受給額は51,000円である。

次回の受給は、平成27(2015)年5月頃、助成金の受給できる期間は平成35年まで続くので、更なる継続的な効果が期待できそうである。



協力事業所:株式会社ワコール
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